世界で最も高価な食虫植物 (Nepenthes 'Leviathan')
今日は少し毛色を変えて、食虫植物にまつわる世界記録の一つを紹介します。
以前、こちらの記事でもわが国の兵庫県立フラワーセンターが「最長のネペンテスピッチャートラップ」という項目でギネス世界記録に認定されたことを紹介しました。
Nepenthes veitchii Bario (very big pitcher) x veitchii Bario (stripe peristome) Y's Lab
季節は夏から秋へと移り変わってきて、陽の光の特性も少しずつ柔らかくなってきた感覚があります。植物たちはこの夏の間、二重掛けにした白色の寒冷紗の下で暑さをやり過ごしてきました。
お盆休みも終わり、どことなく秋が近づく気配が感じられるようになってきました。このブログも少しの間お休みしたような感覚がありましたが、元々不定期更新なので実は大して更新頻度は変わっていなかったという。
Nepenthes veitchii 'Murud' x x alisaputrana Y's

ボルネオ島キナバル山の誉れ高い自然交雑種、N. x alisaputranaを片親に使用した交配種です。山田食虫植物農園(Y's Exotics)にて購入しました。
N. x alisaputranaはキナバル山の標高2,000 m付近のPig Hillというエリアで確認されるN. rajahとN. burbidgeaeの自然交雑種です。古い文献によると、Pig HillではN. burbidgeae(1,900~1,950 m)とN. rajah(1,950~2,320 m)の自生高度の境界にあたる1,930~1,950 mほどにおいて、アリサプトラナが自生するとされています(J.H.Adam, C.C.Wilcock & M.D. Swaine, 1991)。
すなわちこの交配種は、形式的にはN. veitchii 'Murud' x (rajah x burbidgeae)あるいはN. veitchii 'Murud' x (burbidgeae x rajah)のように捉えることもできます。実際にはもっと何度も複雑に自然交雑しているんでしょうけど。
ちなみにどうでもいいですが、記載論文など初期の記事においてはN. x alisaputraiana(アリサプトライアナ?)と表記されています。いつの間に現在の名前になったのでしょう?種小名は国立公園(Sabah National Parks)のディレクターだったLamri Alisaputra氏への献名です。
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| two subsequent pitchers previous (left) and newer one (right) |
母株はExotica Plantsに由来するムルド山のN. veitchiiです。この高地性N. veitchiiもフレアな襟が特徴的な個体群ですが、父株にも襟が幅を持って広がるN. rajahの血が入っていますので、主張の強い襟になりそうな予感がします。
現に、ひとつ前のピッチャーに比べて最新のピッチャー(右)はいくぶんインパクトのある襟となりました。円周方向すべてで幅広なところがなんとなくN. rajahの影響を感じます。
蓋の形状やフタ裏の蜜腺が作る模様はN. burbidgeaeっぽさがありますが、N. veitchiiの模様も混入しているような気がします。
父系の血によって蓋が大きくなるとカッコよくなりそうですよね。
時間が経つにつれて、襟の色合いは濃く落ち着いたものに変化していきました。ざっと見た感じだと黄色/赤/紫色の3色でストライプが構成されているように見えます。ところどころに差す紫色がN. burbidgeaeの血を感じる色合いで個人的には好きです。
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| N. veitchii H/L Murud x x alisaputrana (Y's Exotics) |
ピッチャーは薄いピンク色というか肌色というか、なんとも言えない色をしています。株が大きく成熟するにつれて、N. veitchii H/L Murudの発色が次第に現れてくるのではないかと思っています。
x alisaputrana自体がもともと生育旺盛な自然交雑種と言われていて、それをさらにN. veitchiiに掛けた本個体の生育は順調そのものという感じです。輸送のストレスを受けても止まることなく、葉を展開するごとにサイズアップしてきました。
葉の雰囲気や新芽の展開の仕方などはN. burbidgeaeっぽいかもしれません。株の部位によって、3種類の親からの特徴の現れ方がそれぞれ違っているあたり、まだ株として幼い為に形質が不安定なところがあるのかもしれませんが、全体的にN. burbidgeaeの血をやや強く感じる個体ではあります。果たして将来どうなっていくのでしょうか。
あまり栽培例が多くない交配種のようで、調べても成熟した株の姿が出てきませんが、個人的にはとても楽しみだと思っている株の一つです。無論、親の性質的にフルポテンシャルを発揮する頃には間違いなく巨大になっている筈の株なので、それまでに栽培場所の拡張を計画的に行っていかなければなりません。大きな温室がほすぃ…
Nepenthes ventricosa 'Laguna' Y's 謎の白系ベントリ
国内に古くから存在し流通していたいわゆる在来系のベントリコーサの他に、最近では由緒ある植物園由来や現地株など様々な系統のクリーム系ベントリコーサがしばしば出回るようになりました。中には、襟がひと際波立つものやくびれが大きいもの、緑色の強いものなど、様々な特色で鑑賞性をアピールする秀でた個体が見られます。
Nepenthes veitchii H/L Murud Y's Lab (Plant 2) 導入から1年少々が経過した
特に国内ではN. veitchiiといえばBario産(N. veitchii Bario)という風潮が強くて、あまり人気がないように見えるG. Murud(=Murud山)産ですが、私は個人的に結構好きです。ピッチャーはやや縦長ながら、襟がフレアに広がる個体が多く、典型的な高地性N. veitchiiといった趣。またしばしば強めのストライプが入ります。
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| N. veitchii H/L Murud (Y's Exotics) |
安価でしたし、N. veitchiiはいくつあっても困らないので(謎)、
私はどちらかと言えばネペンテスを幼苗から育てるのが好きで、それにはいくつか理由があるのですが、まぁそんなわけでわが家にはブログ映えしない小さな株がたくさんあります。今日はそのうちの一つ。
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| N. peltata 'Yellow Phantom' x tenuis (Y's Exotics) |
この冬に山田食虫植物農園(Y's Exotics)から導入しました。母株は山田農園が誇る超優良個体のN. peltata 'Yellow Phantom'、父株は個体情報は不明のN. tenuisです。よく思いますけど、
わが家の多くのインターミディエイトたちにとって程よい温度と湿度の季節になってきてから暫くが経過し、ここ数日は冴えない天気が続いているとはいえ、本格的にシーズン到来といった様子です。これまで植え替えなどのショックを引きずって低調だった株達も徐々に調子を上げてきましたので、

最近、頻繁に記事にしている気がしてならないのですが、またこの子の登場です。
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| N. veitchii Bario BE-3646 x veitchii Bario Y's (HIPS) |
このバリオ産N. veitchii同士のクロスはわが家では生育が早い方で、順調に葉を展開してピッチャーを作ってくれるので、ブログの題材としてはとても有り難い存在です(笑)
急にステップアップした前回に引き続き、
今日はこの株です。
N. (truncata x peltata) x veitchii Bario。山田食虫植物農園(Y's Exotics)が作出した交配種。
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| N. (truncata x peltata) x veitchii Bario (Y's Exotics) |
前回記事にしたのは1月で、その頃はなんだか緑色をしたひらひらと薄い葉が付いていて頼りなさそうな印象を受けたものでした。
↓前回の記事
bijou nepenthes: Nepenthes (truncata x peltata) x veitchii Bario Y's 冬場の日照時間それから4か月ほど経過し、
今回は、国内で流通するバリオ産N. veitchiiの優良クローンの一つ、N. veitchii Bario Y'sがピッチャーを付けたので、それを記事にします。
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| N. veitchii Bario Y's the latest pitcher. still small, but promising |
これは、ヒーローズピッチャープランツさんが定期的に挿し木増殖して販売している個体です。
Nepenthes veitchii H/L Murud Y's Lab 個体差

気温はすっかり暖かくなり、屋外栽培の季節がやってきた感があります。これまで多湿の温室環境にいた植物を出す場合は、徐々に慣らしていく方が良いかと思いますが、わが家は冬季のあいだ乾燥した加温環境だったため、そのまま屋外に出してしまいました。←雑
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| N. veitchii H/L Murud Y's Lab (Plant 1) |
マレーシアのサラワク州にある
つい最近記事にしたばかりのような気がするこの実生個体についてですが、この1ヶ月ちょっとの間にも思わぬ進捗がありました。
この前の記事
bijou nepenthes: Nepenthes veitchii Bario (seed grown) 寒さは底を打った?
この個体によって、1ヶ月前の記事との間にはたった2記事しかアップしていない(つまり2週に1度の更新ペース…)という失態を犯していることに気付かされたのですが、多忙でなかなか更新の時間が取れないでいたのでした。春になって少しずつ植物も調子を上げてきたような雰囲気がありますので、もう少し頻度を上げて更新していきたいなと思います。
さて、この個体はヒーローズピッチャープランツさん(HIPS)が交配した実生のN. veitchii Barioで、母株にはBE (Borneo Exotics)のグリーン系実生個体であるBE-3646、父株には山田食虫農園さん(Y's Exotics)から昔導入した赤系の系統を用いたそうです。
導入からここまで、
日の照る時間帯が少しずつ変わってきたのと、陽射しが強くなってきたことを実感できるようになってきました。予報によれば今日が寒さの底で、それを過ぎると徐々に春に向かっていきそうな雰囲気です。
暖かくなるのは嬉しいのですが、長らく安定状態にあった冬季の温室から気温と日照が徐々に強くなり春へと遷移していくこれからの時期は、温室内での蒸れや遮光の具合など調整が難しい季節でもあると個人的には感じます。植物の様子をこまめにチェックするように気を付けていきたいところ。
| N. veitchii Bario BE-3646 x veitchii Bario Y's (HIPS) |
これはヒーローズピッチャープランツさん
先日には温暖で知られる遠州地方にもちらちらと雪が降りました。何やら今年の冬は例年より寒い傾向らしく。早く春になってほしいものです。
しかし既に冬至は過ぎており、日は徐々に長くなり始めているのです。
冬至は太陽の南中高度が低く、一年で最も昼が短く夜が長い日なのは多くの人が知るところだと思いますが、最も早い日の入りと最も遅い日の出は冬至からずれているということを私は初めて知りました。日の入りが最も早いのは冬至よりも前(12月上旬)で、日の出が最も遅いのは冬至よりも後(1月上旬)らしく、この両方の兼ね合いで
以前紹介したヒーローズピッチャープランツさん交配の実生N. veitchii Bario。ゆっくりとではありますが生長しています。
| N. veitchii Bario BE-3646 x veitchii Bario (HIPS) |
母株はBorneo ExoticsのN. veitchii Barioの実生リリースで、派手なストライプは無い襟のグリーン系個体が使われたもよう。父株はY's exoticsの赤系ストライプ襟のN. veitchii Bario Y's。
BEのバリオ個体に多く見られる、
Nepenthes veitchii H/L Murud Y's Lab (Plant 2)
ボルネオ島固有種でありながら生息範囲が広く、分布ごとに形質や生育特性に幅広いバリエーションがあるN. veitchii(ネペンテス・ビーチ、ヴィーチアイ)。
そんなN. veitchiiの中でも、このムルド山由来のものは執筆時点で国内で最も入手しやすく、価格も安価なものの1つではないかと思われます。
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| Nepenthes veitchii H/L Murud Y's Lab (Plant 2) |
山田食虫植物農園が多数販売する系統で、由来はオーストラリアExotica Plantsが昔販売したN. veitchii (a)と(d)です。
N. veitchii (a)はストライプ無しのgolden peristome、(d)はロングネックのstriped peristomeです。
その辺りの経緯は過去の記事にも書いてあります。
bijou nepenthes: Nepenthes veitchii H/L Murud Y's Lab (Plant 2)
G.Murud産はKelabit高原の典型的フォーム?
ムルド山(Mount Murud, マレー語でGunung Murud)はサラワク州最高峰の山(2,424 m)でありながら、
Nepenthes veitchii H/L Murud Y's Lab (Plant 1) ストライプ確認!
bijou nepenthes: Nepenthes veitchii H/L Murud Y's Lab (Plant 1)
bijou nepenthes: Nepenthes veitchii H/L Murud Y's Lab (Plant 2)
今日紹介するのは、はじめて入手した方の株。上のplant 2の記事中の表記を使えば-32の個体。
最近開いたピッチャーは襟が前回よりもまた一回り発達し、幼苗ながら少しずつveitchiiっぽくなってきました。
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| N. veitchii Murud H/L Y's Lab (plant 1) |
栽培環境としては

以前も記事にしたこのN. veitchii H/L Murud。
この品種は山田食虫植物農園にて無菌播種















