冬支度の一環でベラボンマルチングを除去 (ネペンテスの冬越し準備)

By b.myhoney - 10月 25, 2021

先週ぐらいから気温がぐっと下がっていて、比較的温暖な私の地域でも最低気温が10℃近くなる日が何日かありました。こうなってくると屋外での管理は難しく、屋内に取り込む準備をせねばなりません。

そこで、2週間ほど前のことになりますが、冬季の管理を少しでも成功させるための準備として株元に施されているマルチングを除去しました。そしてその代わりに、より水分の加減が掴みやすい鹿沼土で表面を覆いました。

I got rid of coconut husk mulch in order to achieve successful winter!

わが家の栽培環境は優れたものとはとても言えず、特に冬季の環境は植物たちに健康で文化的な最低限度の生活を提供できているのかすら怪しく、違憲状態と言われても(誰に?)反論の余地がございません。

一年間安定した環境を提供できる温室やグロウボックスなどがあれば良いのですが、わが家ではスペースの都合上そのようにはいかず。きっといつかは…。

わが家の冬季の環境を簡単に説明すると、特別な加温・加湿はなく、室内にただ取り込んで植物育成用LEDとファンを設置しただけという状態になってしまいます。

人間用のエアコンで多少屋内は温まるのですが、最も寒い時期で昼間20℃程度、夜間は12℃程度というイメージ。なので、中間地性が多いわが家のウツボカズラ(ネペンテス)にとっては少し寒く、ぐんぐんと生長するというよりかは枯れないように耐えるという時期になりがちです。

 

厳しい冬を無事に越すために

業者さんによっては表土をベラボン(ココヤシ殻チップ)で覆った状態で販売してくれて、見た目が綺麗で嬉しいのですが、個人的には水やりのタイミングが掴みにくいという側面もあるように思います。

水量の管理ってもちろん夏場も大切で、多いと鉢内で停滞して根の蒸れ・根腐れ、少ないとドライアウト直結なのですが、夏場は植物の活動が盛んだったりしますし、毎日きちんと植物の様子を見ていれば案外大丈夫です。極端な酷暑や長雨が続いたりしなければ。

一方で冬は植物の代謝は落ちるので、水が多いとすぐ用土中が過湿になり乾燥までに時間がかかります。特に私の家に多いN. veitchiiなどは根が多い方ではないのでより注意が必要です。水をあげるのは土内まで乾きかけるまで待つのでタイミングの見極めがシビア。冬場は私には難しいのです。

ですので、私のような初心者が少しでも適切な潅水ができるように、株元のベラボンを除去して鹿沼土で覆うことにしました。鹿沼土は水があれば黄色、乾けば白色と水分量のインジケータとして優秀ですし、あとは乾燥ミズゴケなんかも私には水分量を把握しやすいです。

冬場の水分管理のシビアさもそうですが、植物の環境適応性を利用して耐寒性を高める「ハードニング」を行う際にも用土の乾き具合を把握できることが重要です。秋~冬にかけてのハードニングでは、冬に向けて水やり間隔を徐々に長くし用土を乾き気味に管理しながら、少しずつ枯れない程度の寒さに当てていくことで、耐寒性が高い株に鍛えることができます。こうした管理を行う上でも水分量を正しく見極められる用土選択が重要だと思います。


実際の作業風景(の一端)


これが作業前の鉢たち(の一部)。ヤシ殻の茶色と植物の緑色がマッチして綺麗なのですが、私は見た目よりも安全を取りました。


小粒鹿沼土。ザルで細かいものをふるい落とし、丁寧に水洗いして微塵を流します。こうすることで用土の詰まりを少しでも抑えることができます。ひと手間大事。


作業の途中で発見がありました。この写真は調子を崩している別のN. veitchiiからヤシ殻を除去したところなのですが、根が表土側に露出してきています(少々分かりづらいですが)。

この株は挿し木個体で鹿沼細粒に挿してあるのですが、空気を求めてなのかより粒度の荒いヤシ殻の方へと根を伸ばしたっぽい様子が見て取れます。

これを見ると、やはりN. veitchiiは根の通気を好むのでしょうね。プラスチック鉢に細粒の砂利ではエアリーさが足りないのかもしれません。暖かくなったらもう少し粒度の荒い砂利に植え替えて養生させてみるか。

このように、植え替えなどで根を見る機会があったら、その伸び具合を逐一観察してみることが大切だと思います。用土環境の見直しのきっかけになります。

また、このN. veitchiiとは別の株ですが、ヤシ殻チップに白い糸状のカビ?が発生していました。ヤシ殻に覆われて土中の水分量を把握しきれず、水分過多だった(または風通しが悪かった?)ことが伺われます。やはり私のような初心者には、確実に土を見て触って潅水時期を把握する、のように基礎に忠実であることが大切ですね…。


こうして作業は完了しました。水の具合が以前よりもはるかに掴みやすくなったと思っています。今年の冬は調子を崩す株がないように管理したいものです。

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