Nepenthes veitchii Bario (BE x Y's) seed grown HIPS

By b.myhoney - 8月 23, 2022

お盆休みも終わり、どことなく秋が近づく気配が感じられるようになってきました。このブログも少しの間お休みしたような感覚がありましたが、元々不定期更新なので実は大して更新頻度は変わっていなかったという。お休み中にたっぷりと英気を養ったので、またぼちぼちと書いていきます。

この暑い夏の間、寒冷紗を二重にして遮光しつつ暑さを和らげていますが、それでもわが家の低地性を除いた多くの株は生育がやや停滞し、ピッチャーは付けるけどもとりあえず感の漂う見た目になることが多いです。暑さのせいというか、梅雨の戻りのような天候が続いたことによる日照不足の影響もありそうですが。

N. veitchii (BE-3646 x Bario Y's) seed grown (HIPS)

そんな厳しい環境にあってもこの株はいつものように至って元気一杯で、おおよそ1ヶ月に1つのペースでピッチャーを完成させてくれます。強健そのもの。

この株の過去記事はこちらから。

    

私は栽培が上手ではないので熟練者のようにリーフジャンプを連発しながら大きくすることはできないのですが、この株なりのペースでゆっくりゆっくりと大きくなってきていました。

そして、今回の葉も以前の葉よりも少し大きくなり、最近ようやく3号鉢サイズを飛び出すようにピッチャーが付くようになってきました。発色もばっちり。

この発色の良さは完全に父株のN. veitchii Bario Y's (=N. veitchii 'Akazukin' x veitchii Bario striped peristome)の血筋によるもので、優良な親を使った交配というのは夢があるなあと思わされます。


蓋が少し開いて襟が展開したとき、思わず声が漏れてしまいました。本種らしく幅広になってきた襟に細かくストライプが入ってとても綺麗です。


この株は、まだ2号鉢の縁にようやく届くかどうかという幼苗の頃から襟に強めのストライプが入っていたのが印象的で、早い段階からその素質を予感させてくれていたのでした。

母親として使われたBE-3646にはそれほど派手なストライプが入っていないようなので、父親の系統の血を濃く引いたか、隔世遺伝で強いストライプが出てきた可能性があります。軽い気持ちで入手した実生個体が存外に優秀そうに見えるので、あのとき買っておいて良かったなと思います。

N. veitchii (BE-3646 x Bario Y's) seed grown (HIPS)

時間の経過とともにストライプはもっとはっきりとしてきます。地のクリーム色とのコントラストがいいですよね(親バカ)。


ここ最近のピッチャーの変遷。

春先に突如として派手さを現した(一番左)のち、ピッチャーの大きさはそれほど大きくなっていないですし、襟の形状などもやや足踏み感があったものの、今回でけっこう成熟株の姿に近づいた感があります。ただ、その間にも順調に丸っこさは増しているようにも見えます。

このように、本種はピッチャーの姿を生長とともに大幅に変化させていくので、しばらく育てて大きくしてみないと本性がなかなか分かりません。


言うまでもなくまだまだ小苗なのですが、この段階から丸みを帯びた発色の良いボディや密なストライプの襟などの特徴を見せる個体はなかなか見たことがないので、今後の生長を楽しみにさせるものです。


現在はまた一回り大きな葉を展開しており、次のピッチャーも期待できそうです。

ピッチャー(右下)は時間の経過とともにエージングが進んで襟がゴールデンになっていて、これはこれで美しいです。

さらに欲を言えば、これで雌株だったらN. veitchii Barioのシブリングが捗って大変良いのですが、このような発色の良いN. veitchiiは多くの場合雄株であることが多い気がするので、そこについてはあまり期待せずに開花サイズまで育てていきたいと思います。N. veitchii(に限らずですが)のような品種の栽培は石の上にも五年というようなタイムスパンになりますが、多くの場合、その後に辛抱に見合った出来栄えの見返りが得られますので、じっくりと生長を楽しみながら。

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