Nepenthes (truncata x peltata) x veitchii Bario Y's 母の血強め?

By b.myhoney - 5月 17, 2022

今日はこの株です。

N. (truncata x peltata) x veitchii Bario。山田食虫植物農園(Y's Exotics)が作出した交配種。

N. (truncata x peltata) x veitchii Bario (Y's Exotics)

前回記事にしたのは1月で、その頃はなんだか緑色をしたひらひらと薄い葉が付いていて頼りなさそうな印象を受けたものでした。

↓前回の記事

bijou nepenthes: Nepenthes (truncata x peltata) x veitchii Bario Y's 冬場の日照時間

それから4か月ほど経過し、まだ幼いながらも全体的に株が多少がっしりとしてきた印象があります。写真を見比べると4ヶ月の間に葉を3枚展開しており、全ての葉にピッチャーを付けつつピッチャーサイズを徐々に大きくしてきています。

前回の記事は割と入手したての頃でしたので、導入による環境変化や冬季の日照条件を考慮すると、ここまでとても順調な推移を見せていると個人的には思っています。交配親の中には特に気難しい種類がおらず、どれも比較的強健とされる原種ですので当然かもしれませんが、この交配はかなり育てやすそうな感触です。

母親のN. truncata x peltataは、真っ赤な葉とピッチャーが特徴的なN. peltata 'Red Phantom'の血が流れる優良交配です。ピッチャー形状や発色、襟の形やストライプなど非常に幅広いバリエーションを持ちます。今日紹介する交配に使用された個体の素性は明らかではありません。

というか、N. peltata 'Red Phantom'(こちらは雄株)自体、実はそれほど表に出て来ず不明な点が多いです。山田食虫植物農園の数ある「キラー原種」の一つである、高名なN. peltata 'Yellow Phantom'(雌株)の露出の多さに比べると対照的です。

私がN. peltata 'Red Phantom'とされる個体を目にしたことがあるのは、コロラドの有名な趣味家Jeremiah Harris(@jeremiahsplants)氏が山田さんの農園で撮影した写真のみです。

N. peltata 'Red Phantom'
via Jeremiah's Carnivorous Plants @jeremiahsplants (Instagram)


【追記(19 May, 2022)】 

山田さんのインスタで見つけました。これは一次情報ですよね。

 

左のが'Red Phantom'だと思われます。右のが'Yellow Phantom'。とってもいい形!上の写真と少し印象違いますね。株の成熟具合によるのかな?それとも複数個体ある?

【追記ここまで】

Jeremiah氏は、山田食虫植物農園のN. peltata 'Red Phantom'を花粉親、N. rajahを種子親とした交配によって計6つの種子を得て、それを播種し生き残った4個体にNepenthes 'Leviathan'(リヴァイアサン、あるいはレヴィアタン)という名前を付けました。そのうちの1個体の雄株は2019年7月に$4,500 (当時のレートで48万6千円程度)で販売され、「最も高価な食虫植物」としてギネス記録に認定されました。余談でしたが。

the lower surface of its leaf is bright red as with N. peltata

本個体の葉の下面と新芽は鮮やかな赤色で、これは典型的なN. peltataと同様です。

前回の記事では新芽のみ赤かったのですが、現在ではしっかりと葉の裏面も赤く色づき、N. peltataの血をこれでもかと主張しています。葉が毛深いのも同様です。

a juvenile pitcher on this plant (side view)

最新のピッチャーを横から。下部がずんぐりと丸みを帯びていて、小さいながらもしっかりと存在を主張しています。

a juvenile pitcher on this plant (front view)

正面から。

赤褐色の色合いやうっすらとした模様?はやはり母株のN. truncata x peltataを感じさせます。というか、N. veitchiiの血はどこに?という感じです。葉の形状はなんとなくN. veitchiiっぽくもありますが。

まあ、きっと多くのN. veitchiiがそうであるように、株が成熟するにつれて襟などに面影が感じられるようになってくるのでしょう。きっと。


強健な交配っぽいので、ここまで特に愚図つくことなく粛々と葉を展開しています。

きっと上手な栽培家が整った環境で育てれば、すぐに大型化して成熟するのでしょうけど、未熟な私が適当な環境で育てるのですからそうはいかないはず。とはいえ、マイペースに育てつつ、株の変化を楽しんでいきたいと思います!

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