Nepenthes ventricosa 'Laguna' Y's 謎の白系ベントリ

By b.myhoney - 8月 02, 2022

国内に古くから存在し流通していたいわゆる在来系のベントリコーサの他に、最近では由緒ある植物園由来や現地株など様々な系統のクリーム系ベントリコーサがしばしば出回るようになりました。中には、襟がひと際波立つものやくびれが大きいもの、緑色の強いものなど、様々な特色で鑑賞性をアピールする秀でた個体が見られます。

本種は一般的に強健でよく伸び、挿し木で増殖しやすい(在来系がかつて一般の園芸店に卸されていたのもこれらの性質のため)のですが、その割に高値で売買されることが多いことから見ても、クリーム系ベントリコーサの美しさが多くの栽培家たちの心を捉えていることは間違いなさそうです。 

N. ventricosa 'Laguna' (Y's Exotics)

N. ventricosa 'Laguna'は山田食虫植物農園が販売する実生苗です。Lagunaが何を意味するのかは正式には明かされていないと思いますが、フィリピン・ルソン島の中部にラグナ州(Province of Laguna)という地名があり、そこに由来する植物かもしれません。Wikiによればラグナ州は大阪府ほどの面積の州で、24の山々(多くが休火山)があり、そのうち最高峰は2,170 mのBanahaw山とのことです。高地性のベントリコーサが生息していてもおかしくはない標高ですね。

当初、この'Laguna'の名がつくベントリコーサの素性はよく分かりませんでしたが、付いていたピッチャーを見ると白系(クリーム系)っぽい姿をしていること、葉に対して大きなピッチャーが付いている個体が多いことは割とすぐに分かりました。ベントリコーサのクリーム系は成株からの挿し木株として流通していることが一般的で、私は小さな苗の状態から育てたことがなかったため、購入してみることにしました。購入にあたっては、特にピッチャー/葉のサイズ比が大きな苗を選んでみました。

後ほど、このベントリコーサの素性について、販売元の山田さんの質問箱に聞いてくれた方がいました。

在来系みたいなクリーム系の高地性、大きな袋がつく個体群ということで、当初の見立ては間違っていなかったようです。シブクロスによる実生なので、個体差があると想定できます。


春先にポリポットからスリット鉢に植え付けた頃の写真。まだまだ小さかった。


強健なベントリコーサということで、過保護にすることなくついつい放置気味にしていましたが、わが家の高地性寄りの小苗の中ではやはり生長は断トツで早いです。半年もしていませんが、鉢から飛び出しています。

本当はもっと乾かし気味に管理したいのですが、屋根がなくて仕方がないですね。ミズゴケが早く傷んできそうな色をしています。最近は吊って管理するようにしているので、今後はもう少し乾き気味の水分管理ができるようになると思います。


ベントリコーサの苗はこのように、幼い時代にはツートンカラーになります。将来どのような姿になるのかはまだ全然分かりません。大きなピッチャーが付くというのは見栄えがして良いですよね。楽しみです。


袋は良くついてくれるので、この調子で大きくなっていくといいですね。

どんな株に育っていくのか、今後も定期的に記事にしていこうかなと思います。

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