Nepenthes veitchii Bario (seed grown) HIPS

By b.myhoney - 6月 06, 2022

最近、頻繁に記事にしている気がしてならないのですが、またこの子の登場です。

N. veitchii Bario BE-3646 x veitchii Bario Y's (HIPS)

このバリオ産N. veitchii同士のクロスはわが家では生育が早い方で、順調に葉を展開してピッチャーを作ってくれるので、ブログの題材としてはとても有り難い存在です(笑)

急にステップアップした前回に引き続き、今回のピッチャーも発色の良いボディにストライプがしっかりと入ってくれました。 

bijou nepenthes: Nepenthes veitchii Bario (Seed Grown) 急に色気づく年頃 

本種は幼苗から大きくなっていくとある段階から次第に華やかになることが多いのですが、そのタイミングは個体差がけっこう大きいのです。この小さい株の段階から鮮やかな発色を見せてくれるこの個体は、個人的に将来が結構楽しみだったりします。

加えて、このクローンは強健さもなかなかのもので、環境の変化や植え替えなどのダメージに対してもあまり動じない強さを見せてくれています。


前回のピッチャーから若干口が大きくなった印象があり、そのぶんネックが目立ちます。母親として使われたBE (Borneo Exotics)のN. veitchiiにはネックが立ち上がる個体がしばしば見られ、その血を引き継いでいる可能性は大いにあります。


横から見ると丸みを帯びた形状がいい感じ。ピッチャー形状も将来に期待がもてます。

母株に使われたBE-3646の両親(つまりこの個体の祖父母)を想像するに、イエロー単色系✕ピンク系ストライプと思われ、また父方の両親は恐らく赤系ストライプ✕赤系ストライプなので、それら同士の子孫には、ボディ色や襟のストライプの有無など、個体差のバラエティに富んでいそうなことが想像できる交配だと思います。

N. veitchii Bario Y'sはAkazukin x Barioだった

父方のN. veitchii Bario Y'sといえば、ヒーローズさんが古くから挿し木増殖して販売している系統ですが、この由来に関して山田さんの質問箱で新事実が発覚したので記録しておきます。

N. veitchii Bario Y'sは正確にはN. veitchii 'Akazukin'x veitchii Bario stripeと同じものです、種子をフラスコに入れて作りましたが数十年経っているのでおそらく赤みの強い個体で襟がストライプの1個体に淘汰されています。
今の所交配には使用していません。

これによると「N. veitchii Bario Y's」は、ヒーローズ鈴木さんの元へと渡ったN. veitchii ('Akazukin' x Bario striped peristome)のフラスコ苗中の1クローンであると。これは新事実。

つまりこの実生株は、N. veitchii [BE-3646 x ('Akazukin' x Bario striped peristome)]のようにも表記できるはず。

以前、私はこの個体の一番最初の栽培記録の中で、

余談ですがこのN. veitchii Bario Y's(♂)、山田さんの人気の品種'Akazukin' x Barioの父親なんじゃないかと推測しています。特徴が似ている気がして。

と書きました。似ているとは思っていましたが、まさかそのものだったとは!!!


相変わらず、リーフスパン自体はなかなか大きくならないものの、葉に対してそこそこ大きめのピッチャーを付けています。人によってはそろそろ鉢増しする頃なのかもしれませんが、私の技術ではまだこの小さな鉢にも十分に根が回っていないような気がするので、暫く小さめの鉢で栽培していこうと思います。

中高地性のN. veitchiiはそれほど根が多い方ではないと思いますし、これから梅雨に突入→猛暑の夏という時期を迎えるにあたり、根部の過湿や蒸れを避けるためにも小さめの鉢で水の停滞を少なくしていきたいです。

【追記】次の記事を書きました!

bijou nepenthes: Nepenthes veitchii Bario (BE x Y's) seed grown HIPS

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