Nepenthes veitchii Bario x peltata 'konan' 栽り直し

By b.myhoney - 8月 14, 2022

久々の登場となるこの株。'konan'と付いているので中川泰秀氏の作出の交配種だと思われます。


前々回前回の記事を書いた後につけたピッチャーは、淡いピンク色に下半分がずんぐりと膨れたものでした。

これが寒さ厳しい2月頃。


本種のピッチャーは時間の経過とともにエージングしていき、淡いピンク色から次第に濃いワインレッドのような色合いに変化していきます。斑点模様が顕著に現れてくるのはN. peltataの影響でしょう。


この手の交配種は日照条件や温度等によっても発色やストライプの出方は変わりますし、生長にともなって襟が色形を変えていくN. veitchiiの血がどの程度主張するのかによっても変わってきます。

 

...

実はこの頃から少々異変があって、葉の展開するサイズがどんどん小さくなっていくのと下葉の枯れが進行し、根が傷んでいそうな様子を感じさせるのでした。

そこから少々様子を見たものの一向に改善の気配はなく、少々時間は経ちましたが7月にようやく植え替えを行いました。

鉢から抜いて根を見てみても、私は正直根が傷んでいるとかはよく分からないのですが、有機系の用土が劣化していたのは確認できました。それと、何故かハサミムシが土中に何匹か生息していまして、水流で流して退治しました。ハサミムシは基本的に肉食だが中には草を食べるものもいるそうで、こいつらが根を齧っていたのかは分かりませんが、ともかく植え替え後は健康そうな葉を展開して調子が良さそうなので、根回りの環境の何かが良くなかったことは確かだと思います。

用土は、生育の旺盛さも考慮して水切れにならないよう乾燥ミズゴケを選択しました。ミスト稼働もないわが家の屋外環境では、夏場になると砂利系で植えた交配種の鉢がすぐにカラカラに乾いてしまう様子が目につくようになってきていたので。


というわけでまた根をリセットして栽り直しとなってしまったわけですが、幸いにして、既に膨らみ始めていたピッチャーの蕾は、そこから止まることなく生長を続けました。

N. veitchii Bario x peltata 'konan'

完成した最新のピッチャーはこのような感じ。この個体は購入を決めたときからピッチャーの丸さが特に印象的でしたが、最新のピッチャーでもその丸さは健在です。

完成したてのピッチャーは淡いピンク色の色合いをしています。


後ろから見るとぼてっとした姿をしています。

N. veitchii Bario, peltataともに丸みを帯びたピッチャーが特徴の品種ではありますが、どちらも株が成熟して丸みが増してくる性質のものであり、これほど若い株から丸いというのは結構特徴的な気がします。

N. veitchii Bario x peltata 'konan'

時間が経つと、というか日照を浴びると?色が濃くなります。以前よりもピッチャーの襟の後部(ネック)が立ち上がるようになってきた気がします。

根を痛めた手前まったく説得力がありませんが、本種は育てやすい原種同士の交配種ということで、何も気にすることなく育ってくれる楽な交配種です。たぶん気をつけるべきは寒さに当てないようにするぐらいでしょうか?夏場の植え替えでもその後問題なく育ってくれているあたりからも丈夫さが伺えます。


襟のクローズアップ。徐々にN. veitchiiの幅広な襟の特徴が現れてきた感があります。


導入時についていた大きくて柔らかい葉は徐々に枯れてきて、その代わりにわが家の乾燥環境に合わせてもっと肉厚で小さい葉が生えています。N. peltataがそうであるように、葉がある程度の直径になってようやくピッチャーが大きくなる系でしょうか。ピッチャー/リーフスパンの比が小さいというか。

今後どのような姿を見せてくれるのか楽しみです。

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