Nepenthes burbidgeae BE-3848 'Pig Hill' ひと夏を越えてみて
今年の夏はここ数年の酷暑に比べれば、最盛期に雨が続いたこともありいくぶん涼しかったような印象があります。
異常気象的な暑さは無かったとは言え、予想外の耐暑性の高さで僕を驚かせたNo. 1は本種だったと言えます。
N. burbidgeae BE-3848 (Borneo Exotics) |
赤みの強い選別クローン
この品種については以前も記事にしています。
bijou nepenthes: Nepenthes burbidgeae BE-3848 'Pig Hill'本種はボルネオ島のサバ州に位置するMt. Kinabaluの南東側、キナバル国立公園(Kinabalu National Park)近くのピグヒル(Pig Hill)エリアで採取された種子に由来する単一クローンです。
同じBorneo Exoticsがリリースした実生の
個体群BE-3834の中から選抜されたクローンだと(勝手に)思っています。BEによると赤みが強いバリエーションだとか。結構多めにリリースされている印象があるので比較的安価に入手することができます。N. burbidgeae自体が育てている人減っている感じありますよね。いたとしても実生個体が中心というイメージ。個人的にはとても美しい原種だと思うのですが。
このリリースは安価な単一クローンということもあってか、それほど人気がないように思いますが、本来の白く美しい色に赤みが挿すとどのような姿を見せてくれるのか楽しみに育てています。
意外な耐暑性
Pig Hillはほとんど2,000 m級の地域なので僕のラインアップ中では高地性もいいとこなのですが、本種はなんと遮光もほどほどな屋外放置で問題なく夏を越しました。
whole plant of N. burbidgeae BE-3848 |
赤い点々が少々(高温による常在菌?わからない…)が見られますが、ピッチャーも2~3個ぶら下げているので暑がって仕方がない、という感じではないと思います。
リーフスパンこそ大きくなっていませんが、これは鉢のサイズも一因としてあるような気がしています。本種は高地性の中では比較的根が張る方だと言われていて、そろそろ鉢増しを検討すべきなのかもしれません。
春先には4枚しか維持できなかった葉が今は6枚になっているので、ここにも根の充実を感じることができます。
低地性の環境でもどんどん葉を展開しているのを見る限り、本種は高地性というより中間地性としての扱いで良さそうです。
バービッジアエは自生地で交雑が進んでいるのは有名な話で、本クローンも独特な赤みの強さが示すように過去になんらかの形で他種を取り込んでいるでしょうから、ひょっとすると雑種強勢を得ているのかもしれません。
the latest pitcher is somewhat smaller than previous one |
夏場ということもあって新しいピッチャーは小さいですが、それでも付けてくれました。今は小さいこともあって丸みのない縦長の袋ですが、大きくなればそれなりに丸みを帯びるようです。
このサイズでも、大きめのフタや平たくなった襟など、N. burbidgeaeらしさが現れていていい感じですね。
taken 1 year ago when I got it via Hiro's Pitcher Plant |
1年ほど前に導入した当時はこんな感じでした。リーフスパンは驚くほど大きくなっていませんが(笑)、ステムはかなり太くなりがっちりとした株になったことがわかります。
a baby pitcher (last year) |
導入当初はこのような特に特徴もバービッジアエらしさもない袋でしたが、1年ほど育ててみてピッチャーの形質が変わったことが分かります。
現在は鉢増しをいつ行うかを思案中です。高地性は冬場の植え替えが良いという話ですが本種は果たして…?
【追記】植え替えをしました!新しい記事も書きました!
bijou nepenthes: Nepenthes burbidgeae BE-3848 'Pig Hill' 行く末を見守る
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