Nepenthes Gaya
今日はみんな大好き(!?)、ネペンテス・ガヤです。新しくネペン栽培を始めた人がかなりの割合で入手している印象があります。
N. Gaya |
普及種ネペンテスの次世代標準!?
N. St. Pacificusと同じくカクタス長田さんが卸しているホムセンネペンの代表種です。
bijou nepenthes: Nepenthes St. Pacificus
ネペンテスがぐんぐん調子を上げてくる5月頃から、家の近くのホームセンターや園芸店には食虫植物が並び始めます。栽培品の調子も上向きワクワクしてくる季節ですよね。 意外と侮れないホムセンネペン 近所のお店ではカクタス長田さんや大彰園さんのアソート、あとはお隣愛知県の農家さんで生産されたと思われるN. alataやN. x ventrataなどを見かける機会が多いです。 食虫植物アソートに混ざっているネペンテス(ウツボカズラ)は、どれもホムセンネペンと侮れない良い交配種だと個人的には思いますが、
日本だけでなく海外でも入門種として、栽培が容易(easy to grow)な品種で、窓際栽培に最適(window sill grower)みたいな評をよく見かけます。
実際に育ててみて、確かに生育が早く、特に何もしなくても簡単に育ってくれて、次々に派手な色彩の袋を付けてくれるという、まさに入門種として最適な性質の品種だと感じます。
この品種はN. khasiana x (ventricosa x maxima)という交配を持ち、用いられている血がどれも雑草のような強健種ということで、この交配種が自ずと優れた環境適応性を持ち育てやすい種であるという想像ができます。
Nepenthes Gayaの園芸的な由来
この交配種を作出したのもN. St. Pacificusと同じくハワイのナーセリー、Leilani Nepenthesと言われています。このページによれば本種は2004年にLeilani NepenthesのSamuel Estes氏により作出された交配種です。
海外ではN. Gayaの他に、N. Gaya 'Buddha’、N. Buddha、N. St. Gayaなどいくつかのバリーエーションのある呼び名で呼ばれているようです。
Leilani NepenthesはGayaやSt. Pacificusをはじめ、主に低地性を中心とした魅力的な交配種を作出してきましたが、2018年のキラウエア火山噴火により壊滅的なダメージを受けた模様…!その後どうなっているのかは詳しく把握していないです。
Leilani Nepenthesを支援する募金活動が立ち上がっていたことも確認できます。
こういった自然災害は、設備や人的被害も心配なのですが貴重な品種やコレクションが失われてしまうのも怖いところですよね。
わが家のGaya
こちらは近くのホームセンターで購入したばかりの頃の写真です。
taken soon after I bought this plant |
袋の形状はカーシアナのロアーによく似ています。ベントリコーサの血でぎゅっと寸胴になっている感はあります。
root of the small plant |
カーシアナは根が良く張る、と言われていますが、その血を引き継いでいるのかこのサイズでも根は多い方だと思います。
ベントリコーサやマキシマは比較的厚手の葉を持ち、葉からの蒸散が抑えられるので用土の乾燥にも強いという評が一般的だと思いますが、ガヤの葉はペラペラと薄くカーシアナ寄りと言えるかもしれません。また、葉のサイズに対してピッチャーは小さめで、貯水機能としての比重が低めであると見えます。
これらの葉やピッチャーの特性とカーシアナ譲りの根張りの良さとから、N. Gayaは水分吸収の多くをより根に依存していると推測しています。
上記の理由から、我が家の環境では用土水分多めの傾向になる、駄温鉢+ミズゴケの組み合わせで植え付ける判断をしました。
この組み合わせで、用土表面が乾いてきたら潅水という管理をすることで、本種の好む水分含有を満たしながら根の伸長も促せるのでは?との目論見です。
N. Gaya of nowadays |
ガヤの近影です。やはり生育は速く、次々と順調に袋を作って鈴なりになろうとしています。
育ててみて、かなり暑さには強く少々の直射日光ではびくともしない印象です。マキシマ、ベントリコーサ、カーシアナというどれも中間地性~高地性寄りの交配であるにもかかわらず、耐暑性がそれなりにありそうなのが意外です。
耐寒性はこの冬に試されることになりますが、カーシアナ筆頭に寒さにも強い強健種の子孫ですので比較的楽観視しています。注意すべきは冬場のドライアウトですかね?
pitchers with variable colors of crimson to yellow |
基本的には濃い赤色の禍々しい模様のピッチャーを付けます。カーシアナにもこのような班が入る個体はありますが、恐らくマキシマの影響があるのではないでしょうか。
また、経時変化や日照などにより黄色に退色するピッチャーもあり、赤色の袋とのコントラストもあってカラフルな印象です。襟や蓋などの形状にもバラエティーがあり、形質が遺伝親の間で揺れ動いて(?)いるようで面白いです。
a newly opened pitcher |
新しい袋。新しい葉の先に次の蕾を膨らませるのと同時に、新芽もどんどん伸びていくというような、とても旺盛な生育を見せます。
すべてのネペンがこれぐらい早く育ってくれれば良いのに…笑
[追記]導入から半年ほど、夏を越えてみての次の記事はこちら。
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