Nepenthes veitchii (k) EP この季節のピッチャーは嬉しい

By b.myhoney - 12月 31, 2021

昨年の秋も深まる頃に、ホムセンネペンから一歩踏み出してBE (Borneo Exotics)のN. burbidgeaeとN. veitchii Barioを導入してから1年とちょっと経ちました。

これまで少しずつ品種(といってもほとんどN. veitchiiですが)を増やしつつ、なんとかそれほどロストすることなく過ごすことができています。栽培が難しいとされる種には手を出していないのもあると思いますが。

そんな初心者が昨年は室内に取り込んだのみの無加温越冬をしたのですが、案の定、冬の間とその後の成長は芳しくなかったんですよね…。

今日取り上げるN. veitchii (k)もその一株でしたが、今年は簡易的とはいえ加温設備を導入したので、寒さ深まる中でもゆっくり着実にピッチャーを膨らませてくれています。嬉しいことですね。

理想からはまだまだ程遠い栽培環境なのですが、それでもこの時期に新芽を展開してピッチャーを膨らませてくれるのは個人的には大きな進歩です。

N. veitchii (k) Exotica Plants

N. veitchii (k)は、ストライプ襟を持つ本種としては栽培用に初めて商用生産されたとされるターニングポイント的なveitchiiです(過去記事リンク:)。2000年代から色々な交配の親として用いられてきた偉大な園芸品種。

実生株が基本のExotica Plants産らしくかなり個体差がありますが、両親にかなり優秀な個体が使われているのは間違いないです。

人気のあるビーチ・バリオ(独特な匍匐型の生育特性を持つ、丸々としたピッチャーを付けるバリオ産の高地性N. veitchii)ほど丸くはならないですが、中にはそれなりに丸くなる個体もあります。

発色が良いのも特徴で、ほとんどの個体が赤みを帯びていて、中には真っ赤なものもしばしば存在します。上の写真でも蔓の赤さから発色のポテンシャルが伺えます。

N. veitchii (k) x (k)のシブクロスも非常に個体差が大きくなる傾向があって魅力的です。特に米国のナーセリーで優秀な(k)を用いた交配が多く作出されている印象があります。国内では山田食虫植物農園(Y's exotics)さんがたまにリリースしてます。

うちの個体は将来どんな姿になるのでしょうか。個人的にとても楽しみです。


開きたてのピッチャー。近寄ると本種らしい密毛がよくわかります。奥にはしっかりとストライプ。


株の全景。この個体のピッチャーは古くなるとストライプが薄まってgold peristomeみたいになります。

ベラボンのマルチングの下は中粒の鹿沼主体の砂利系用土で植えてありますが、今年の夏を過ごしてみて素焼き鉢との組み合わせは明らかに乾きすぎのようだという感触がありました。

表土の保水を少しでも確保するべくマルチングを施しましたが、悪あがき程度なので次回の植え替えでは鉢と用土の選択に検討の余地がありそうです。

過乾燥が影響してか、導入後しばらく調子が上がりませんでしたが、それでも根の定着に伴って少しずつわが家の環境に順応し葉数を増やしてきました。

冬季の環境による影響でやや葉は小さくなりそうですが、次の新芽もしっかりとピッチャーを付けてくれそうです。


袋は最終的にこのようになりました。

とにかく、あまり日照などの条件に神経質にならずこの時期にピッチャーを付けてくれるこの株は嬉しいですね。わが家のように、整っているとは言えない環境では特に。

強健な交配種なんかは、多少の日照の減少や環境の変化なんぞ気にせず生長を続けてくれて頼もしいものです。

例えば、シブヤンエンシスや在来系ベントリコーサなどフィリピン系に多いですが、日照時間が減るとピッチャーを付けてくれなくなったりする種もある中で、N. veitchiiや交配種など環境にある程度寛容な種がラインナップに入っていると、こういう時期にも新しいピッチャーを拝めてありがたいですね。

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