Nepenthes veitchii (h) EP

By b.myhoney - 8月 06, 2021

梅雨が明けて以降しばらく晴れの日が多かったのですが、接近中の台風9号、10号の影響で週末から天気は下り坂になる模様です。そして11号も発生したようですね…。

日差しが遮られて暑さが緩和されるのなら屋外で栽培中の植物的には良い面もありますが、気温があまり下がらないようなので根の蒸れが心配になります。なにより、風雨による被害の方が心配ですね。

N. veitchii (h) (Exotica Plants)

まだまだ小さいN. veitchii (h)ですが、新しい袋が完成し蓋が開きました。導入して初めて付けた袋ということになります。

 

Nepenthes veitchii (h)って何者?

N. veitchii (h)はオーストラリアのナーセリー、Exotica Plantsがかつてリリースした品種です。

古いリリースですし、ストライプ無しの個体が多く人気が無いのか、全然情報が出てきません。Google先生に聞いても、「N. veitchii H/L…」のhを拾ってしまって中々この品種の情報に巡り合うことは少ないです。

交配親の由来など詳細な素性は明らかにされていないと思いますが、ストライプ個体同士の交配による実生ということです。

EPにはストライプ襟のN. veitchiiが世界中で栽培される契機となった偉大な品種、N. veitchii (k)がありますが、ストライプ襟を持つ個体をN. veitchii (k)として、無地襟のものを(h)とラベル分けして出荷した、という説が一般的とされているように思います。

bijou nepenthes: Nepenthes veitchii (k) EP 初めてのピッチャー

N. veitchiiの性質として、幼苗にはストライプが見られなくても株がある程度成熟してからストライプが発現するケースがあるので、(h)として出荷されたものが綺麗なストライプ個体になる例もあるそうです(以下、Tom's Carnivores 「Species Showcase: Nepenthes veitchii」より引用)。

Species Showcase: Nepenthes veitchii
 

Nepenthes veitchii Big Mama x Pink Candy Cane: “A horticultural grex we’ve done twice at Carnivero, once in 2015 and again in 2018. Big Mama is a striped (k) form. Pink Candy Cane was purchased as a veitchii (h) and actually did not show striping until it was 8 inches across. I’ve heard that the (k) and (h) veitchii had the same parentage but were separated between the striped and unstriped variants leaving EP. The offspring from this cross have shown a range of variants but the majority inherit the pink body from the father and striping. The form seems to be moderately squat like the parents as well with some individuals being extremely squat.”

 Nepenthes veitchii Big Mama x Pink Candy Cane:「Carniveroにて2度行われた園芸交配で、1度目は2015年、そして2度目は2018年に行われました。Big Mamaはストライプの(k)フォーム。Pink Candy Caneはveitchii(h)として購入したもので、実際に8インチ(約20 cm)ほどの大きさになるまでストライプは発現していませんでした。(k)と(h)のveitchiiは同じ親を持つものの、EPから出荷されるときストライプ有りとストライプ無しで分けられたと聞きました。この交配の子孫は幅広いバラエティを示しますが、大多数は父親由来のピンクボディを持ち、ストライプが入っています。このフォームも両親のように適度にスクアットですが、いくつかの個体は非常にスクアットになるようです。」

このサイトによれば、米テキサスのCarniveroが保有する選別個体、N. veitchii ‘Pink Candy Cane’は、当初ストライプ無しのN. veitchii (h)として導入された個体らしいことが書いてあります。実際に上記リンク先を見れば、現在では襟にとても綺麗なストライプがしっかりと入っているのが分かります。

しかし、そのようなケースは恐らくレアで、多くの(h)はクリーム色~黄色の無地の襟を持つ個体が多いと思います。

 

導入時の様子

この幼苗は今年の春にやってきました。その時ついていた袋は下のようなものでした。

N. veitchii (h) EP
My (h) had two pitchers when I bought this plant from Y's.(1/2)

N. veitchii (h) EP
My (h) had two pitchers when I bought this plant from Y's.(2/2)

ストライプこそ見られませんでしたが、ほのかなピンク色がとてもいい感じ。袋の内側まで真っ赤です。

その後、砂利系用土に植え替えをして冒頭の写真に至りますが、全然大きくなっていません。植え替え後しばらく生育が停滞し、葉の大きさも小さいまま暫く袋を付けてくれませんでした。

ようやく根付き始めて、うちの過酷な屋外環境に適応してきたのか、とにかく袋を付けてくれてひとまず安心です。

N. veitchii (h) the latest baby pitcher.

大きさこそ小さいままではありますが、ピッチャーの形質が変化したような気がします。

導入時はあまり毛深くなく、翼が目立ち、襟も特徴がないという、一般的なネペンテスの幼苗という感じの袋でしたが、今回の袋は毛深くて襟も随分と主張しています。

開き始めてから4日目になりますが、未だに襟は巻かずに開いたままなので、このまま定着してくれるといいなぁ。

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