小さめの素焼鉢+ミズゴケの組み合わせについて思うこと(ネペンテスの栽培用土と鉢)

By b.myhoney - 12月 27, 2021

わが家のネペンテス栽培の環境は基本的に屋外で、特別な冷房設備を使用していません。

持たざる者のネペンテス栽培環境とも言えそうですが、真の高地性といえる植物は保有しておらず、多くは中間地性的な性質の品種のために、夏季には暑さによる停滞を若干感じはするものの(今のところ)それほど神経質になることなく維持できています。

もちろん、突然猛暑に晒すとそれなりのダメージを受け得るため、春季から徐々に過酷な環境へと慣らしていくような管理が必要です。こうすることで、生長こそ遅いですが多少の環境変化にも寛容に適応できる丈夫な株にできるような気がしています。決して室内栽培スペースを確保できない為の負け惜しみではありません。

屋外無冷房栽培で気を付けるべきポイントは、暑さで植物が致命的なダメージを受けないように風通しを確保することや、適度に遮光することに加えて、根が蒸れないようにすることです。

わが家の環境における乾燥ミズゴケの使い方

乾燥ミズゴケは古くからネペンテス栽培の基本的かつ優秀な用土であり、適度なエアリーさと微量含まれる養分が根の張りや植物体の生長を促進することに期待して(割と気分で)採用することがしばしばあります。

砂利系用土に比べて水持ちが良いミズゴケを採用するにあたって、根回りに水が停滞して夏季に蒸れるのを嫌い、私は小さめの素焼鉢に植えてなんとなくバランスを取ってきました。

特にNepenthes veitchiiのように根が比較的少なめで、乾き気味に管理する種には小型鉢の相性が良いと考えています。

私の場合、朝の水やり後は基本的に夜まで植物の様子を見ることができないため、小径の素焼鉢に砂利系用土の組み合わせは多くの場合乾きすぎになり、そのぶんミズゴケとの組み合わせならちょうど良い水持ち具合になる感覚があります。

加えて、素焼鉢の側面から盛んに水分蒸発することで気化熱が鉢内を冷却し、プラ鉢などに比べて土内環境をかなり冷涼に維持できる点も素焼鉢の大きなメリットだと一般に言われています。

小ぶりな素焼鉢+ミズゴケの盲点

このように、ミズゴケの恩恵にあずかりつつも蒸れを回避するための絶妙な組み合わせとして、小型の素焼鉢との組み合わせは自分の中でちょっとしたマイブームとなっていましたが、ここに来て意外な盲点に直面したのでした。

実生N. veitchii Barioの植え替え。
小型の素焼鉢にミズゴケや根が張り付いており、とても苦労した

恐らく、多孔質構造の素焼鉢が水を外に吸い出すときに、ミズゴケや伸びてきた根など鉢に触れている部分が壁面に張り付いた状態となり、そのまま乾燥すると鉢に固着してしまうために、植え替え時に剥がすのが大変な事態に陥ります。

根に絡まったミズゴケの除去時に細根を切ってしまうのは承知していましたが、それは慎重に作業することでダメージを小さめに抑えることは可能だという認識でいます。

しかし、鉢の壁面にミズゴケや根が張り付いてしまうことは盲点でした。

実はこの植え替えを実施する前に、食虫植物栽培の神様ことHFC土居氏のリプを見て嫌な予感がしていたのでした。

「頼むからすんなりと剥がれてくれ」と祈りながらの作業でしたが、御覧の通り見事バキバキにくっついていたのでした。

多少力づくで鉢から剥がす際に、根に応力が掛かってしまったことは否めません。


幸い、根への依存が小さい(と思われる)N. veitchiiではありましたが、まだこのように幼苗サイズの苗に不要なダメージを与えるのは全く本位ではありませんでした。

さらに根張りが多い種だとどれほど根を千切っていたことか…。

もしくは、逆に根が少ないからこそ貴重な根を大切にすべきだったとも言えそうです。

素焼鉢には千切れた根(黒いちょろちょろ)がくっついている

違うアングルから。

ミズゴケがばっちり一面を覆うように張り付いています。

そして、少し分かりにくいですが、根(黒く見える部分)もしっかりと鉢に張り付き、切れてしまったことが分かります。嗚呼、無情…。

という訳で大人しくスリット鉢へ植え替え

根をちぎってしまった手前、今さら感もありますが、これ以上根を痛めるのを避けるため根鉢はそのままにして、周囲にミズゴケを追加する形でスリット鉢に植え替えました。

側面のスリット構造で排水性が考慮されているとは言え、プラ鉢は素焼鉢とは土内水分の減るスピードにかなり違いがありますので、水やりの頻度にはこれまで以上に気を遣ってしっかり乾いてから灌水するようにしていきたいと思います。

今後は、現在ミズゴケと素焼鉢の組み合わせで植えてある株を徐々に見直していく必要がありそうです…。とりあえずスリット鉢に砂利系用土が無難でしょうか。

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