冬季の植え替えを敢行(ネペンテス栽培の記録)
12月終盤も残すところあと数日という日になって、数年に一度という強い寒波に日本列島は覆われています。
そんな中でも植物達は、屋外の簡易ビニール温室(プチプチでなるべく断熱済)の中で健気にもゆっくりと生長を続けています。
サーモスタット付きヒーターで温度は常識的な範囲内に保たれてはいるものの、やはり生長が鈍るのは主に日照時間が極端に減っていることと、温室内で空気の流通が減っている(=二酸化炭素取り込み効率低下による光合成の鈍化)ことが大きいのではと、今のところ考えています。これはLED光源とファンの導入待ったなしか。
とはいえ、冬季はほとんど生長を止めてただ耐えるだけだった昨年の冬からは進歩です。わが家のややスパルタな冬季環境については、後日時間を見つけてまとめてみたいと思います。参考になる方がいるかは分かりませんが…。
最近、かねてから植え替えタイミングを伺っていた植物の植え替えを少しずつ行いました。
Nepenthes sp. Philippines (formerly known as N. tenuidon) EP |
なんとなく、ただでさえバテがちな夏場は避けた方が良さそうというのは分かります。そして秋口も、気温が低下して乾燥も進むなど環境の変化があって、夏場に消耗した株のとどめを刺してしまう可能性が怖く二の足を踏んでしまいます。
かと言って春先は、急激に上昇する活動量に根の定着が追い付かないと調子を崩しそうですし、時期的にその先のシーズン中の立上りにも影響がありそうです。ということで、温室内での養生をあてにして冬季、と相成りました。
植え替え時期も、年中安定した環境を提供しやすい屋内栽培であれば、恐らく本来はそこまで気にする必要もないのでしょうけど。四季との共存を余儀なくされる屋外栽培では注意深くいる方が良さそうです。室内に栽培環境を整えられる方が羨ましく思います。
というわけで一株目。
これは豪Exotica Plantsがかつて導入した、フィリピンはルソン島の不明種。N. tenuidonの名で新種登録を目指したものの、正式に原種として記載されていない模様。
詳細は明かされていませんが、ルソン島のザンバレス州にあるタプラオ山(Mt. Tapulao)、標高1,600 m地点の植物だと思われます。
N. ventricosaとN. burkei、N. sibuyanensis、N. alataあたりをごちゃ混ぜにしたような、なんとも掴みどころのないピッチャーを付ける種ですが、ベントリコーサ近縁種であることは間違いありません。
下部の椰子化が少し進行していましたので、スリット鉢に埋戻します。用土は鹿沼小粒とセラミスの混合にしてみました。
恐らく本種もベントリコーサ等と同じく、乾き気味の管理で良いと思われます。
まだ導入からそれほど日が経っていないので、この新しい用土に定着しつつコンディションを整えて、春以降に成長してほしいと思います。
なんとなくですが、葉はベントリコーサの他にN. barcelonaeなどに似ている感ありますよね。
続いてこの株。
N. burbidgeae BE-3848 'Pig Hill' BE |
Nepenthes burbidgeae BE-3848。
スリランカのBorneo Exoticsによる、キナバル山のPig Hill由来のシングル・クローン。
これまで、導入したままの2.5号鉢に抑え込まれており、そのせいもあってか(あるいは腕前か)あまり大きくなっていませんでした。
根が良く張ると定評の本種も、鉢の大きさの制約を受けてそれほど根が充実していないと言えそうです。やっと鉢増しに着手です。
4号のスリット鉢に植え替えてみました。用土は鹿沼土と日向土主体でセラミスを少々。
葉を展開こそすれども、リーフスパンが大きくなっていない様子が分かります…。
冬になってピッチャーもサイズダウンしましたが、これから用土に定着して根をたくさん伸ばすことで、草体はそこそこに大きく(本領を発揮されたら冬場のスペースが…)、ピッチャーはドカンと大きい株になったらいいなと思いますね。なんとなく生長が速そうなクローンなので、来季はもっと立派に仕上げていけたらと思います。
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