Nepenthes veitchii (k) EP 初めてのピッチャー
オーストラリアのExotica Plantsが過去にリリースしたN. veitchiiの中で、(国内ではほとんど流通が無く値段もかなり高価な(m)を除けば)僕が一番好きな品種がN. veitchii (k)です。個体ごとのバラエティが大きく一概には言えないのですが、選別個体の中にはストライプ大好きの私が垂涎の素晴らしい個体がしばしば存在します。
どちらもストライプ個体ということ以外、両親の素性については明らかになってはいないのですが、Murud山を含むKelabit Highlands周辺のどこかに由来する個体だろうと(勝手に)想像しています。
ひとくちにN. veitchii (k)と言ってもバラエティが豊富で、その激しい個体差は実生ならではなのですが、EPが豪華な襟を持つ優秀な個体を両親に使ったのは間違いないと思います。
わが家の(k)は昨年導入なのですが、ゆっくりと葉は展開するもののピッチャーはしばらく見送るという展開が続いていました。
(k)の過去の記事はこちら
bijou nepenthes: Nepenthes veitchii (k) EP一年ほど愚図っていた原因として考えているのはドライアウト。根を過乾燥で痛めたということです。
N. veitchiiは根腐れするとヤバいとよく言われる※ので、3号という小型の素焼鉢に中粒の砂利系用土のスーパードライな組み合わせで植えていたところ、乾かしすぎてしまったようです。
というわけで、なんだかんだ春先からは養生の日々を過ごし、やっとの思いで復調してきたわが家の(k)についにピッチャーが…!
N. veitchii (k) Exotica Plants |
まさに開き始めたといったところです。ほのかに赤みがかった色合いに期待がかかります。
開きかけを正面から。既に繊細なストライプが確認できます。
この(k)は今のところ縦長の袋を付けるようですね。バリオ産とは明確に形状が異なることが良く分かります。
the new pitcher is fully opened |
そして最新の姿。このサイズでありながらも「N. veitchiiだぞ!」と主張するように襟は広がります。
ネット上に転がっている(k)の画像を大量に眺めていると、非常に大まかに言えば2系統のピッチャーが見られることに気付きます(もちろんその中間的なものもあります)。
1つめはピッチャーが緑系(赤みがそれほど強くない)で比較的丸っこく、ギザギザと放射状に広がる襟を持つタイプ。ストライプは薄め。
そして2つめはピッチャーが赤系で細長く、円形に広がるストライプが強めの襟をもつタイプ。
あくまで個人的な想像ですがこの実生品種の両親は、1つめの個体群のような特徴を持つ母親と、2つめの個体群のような見た目の父親なのではないかと見ています。
そして、この個体の現時点のピッチャーを見ていると、2つめの個体群にどちらかと言えば属するのではないかという気がしてきます。
私の想像に当てはめるとすれば父親似の個体。知りませんが。
N. veitchiiは生長の過程でピッチャーがどんどん変化していきますので何とも言えませんが、こういうふうに将来どんな姿になるかと想像しながら育てるのも本種ならではの楽しみではないかと思っています。
whole plant of my (k) |
草体を全体的に。新芽を伸ばしています。
奥に見える、導入時についていた老舗の袋よりも小さく完成しましたが、水分タンクや栄養補給口としてのピッチャーが増えることは根の充実とある意味では等価であり、いいことだと思います。
もちろん根を充実させることが重要なのは言うまでもないとは思いますけどね。これを機に調子をどんどん上げてくれると良いですね。
※確かに根腐れは避けるべきなのですが、着生種のように過度に用土を乾かすのも避けるべきだと感じます。N. veitchiiで着生的なのは主に低地性フォームであり、高地性(中間地性)は地生種であることが多いです。
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