Nepenthes [(lowii x veitchii) - yellow x boschiana] - purple x [(veitchii x maxi(文字数
文字数制限のあるツイッターなどで、しばしば文末に (文字数 などと書きおちゃらけた雰囲気を出す使い古された表現がありますが、今日はボケでなくともそれを使いたくなりそうな名前の株です。
N. [(lowii x veitchii) - yellow x boschiana] - purple x [(veitchii x maxima) x veitchii - H/L] (Exotica Plants) aka N. LVBxVMV or N. LVBVMV, from 1st grex |
三元交配同士を掛け合わせた複雑な交配種になるわけですが、こういうのは六元交配などと言うのでしょうか?ともかく、EP(Exotica Plants)はネペンテスの交配ではもう誰も追いつけないようなところで暫く独走していると言えそうです。オーストラリアの気候と広大な大地をフルに活かした栽培手法や卓越したノウハウで、育成→選別→開花→交配→播種→育成→選別…のサイクルが異常に早いのでしょうね、きっと。
交配の複雑さや親に使われた原種の特性によって、想像の通り個体差がかなりあります。国内ではヒーローズさんを中心に複数クローンが流通しており、気に入った個体を選んで購入するのが吉です。この個体は淡いピンク色が美しいですが、もっとN. lowii要素の強い濃色の個体も最高にかっこいいですね。
正式名称はN. [(lowii x veitchii) - yellow x boschiana] - purple x [(veitchii x maxima) x veitchii - H/L] (EP)みたいな雰囲気になると思います。あまりに長い名前のため、海外では頭文字を取ってN. LVBxVMVとかN. LVBVMVみたいに省略して呼ばれることもしばしば。
個体差は大きいものの、超幅広のフレアな襟やカラフルな色味はどの個体にも共通して現れる美点なので、一定の人気があって比較的定番感のあるEPの交配の1つと言えます。さらにこの個体を使った交配が作出されていたり、LVBVMVのF2(=LVBVMV x LVBVMV)が作られていたりもするようです。
蕾の形成段階では案外普通な見た目をしていますが、格納されている襟が異様に広く、まるで何かの花が咲くかのごとく襟が展開してきます。蕾段階では雨傘のように波状に折りたたまれて格納されているのが面白いですよね。
最近になって、EPはこれと同じ名前の品種を再リリースしているようです。N. LVBVMVの名前自体は同じですが、新しいリリースはNew grexなどと呼ばれており、使用している親の個体が違うことが想像できます。私はこの初代も十分に魅力的な個体群だと思いますが、初代から時代が進んでEPはより傑出した交配親を手にしている筈ですので、この新しい個体群はかなり期待できるのは間違いなさそうです。
できたてのピッチャーはストライプも薄くてフレッシュな印象です。わが家に来て最初のピッチャーなので大きくはないにも関わらず、襟と発色がとにかく派手なので既に栽培スペースでかなりのオーラを放っています。
本種の一番の見どころは正面から見た襟だと思うのですが、意外と後ろ姿もけっこうシュールで可愛いのです。ルパ○三世の銭形警部ってこういうコート着てますよね。
後ろ姿は刑事の襟立てコートみたい |
エージングが進んだピッチャー |
交配親にはN. boschianaやN. lowiiなどピッチャーが木質で硬い種が含まれ、さらにN. veitchiiもピッチャーの持ちが良いため、袋の寿命が長いというのも鑑賞性という意味では利点です。
この株は入手時からアッパー(上位袋)に移行しつつあったので、脇芽が生えてそこにロアー(下位袋)が付いてくれると嬉しいです。本種のロアーはN. maximaやboschianaのようなもっと濃い色味をしていて、アッパーとはかなり印象が異なるようなので。
あと、襟が幅広い品種に目がない私は案の定この交配が好きで、実は雌雄揃って保有しているため、わが家でもF2や本種を使った交配をいつか作ってみたいなと思います。さて、いつになることやら…。
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