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Nepenthes veitchii Bario x peltata 'konan' 2023年が明けた

By b.myhoney - 1月 10, 2023

2023年が明けて10日が経ちました。今年も皆様にとって良い一年になりますよう。

相変わらず植物の写真を撮るどころか、必要最低限のケアさえ出来ているのかさえ若干怪しい日々を過ごしています。植物たちは枯れる事こそないですが、調子を上げている株はそんなに多くないです。

誰か、私に一日30時間ください!!

新しい仕事への適応と育児の両立というやむない事情とは言え、これでは栽培者失格と言えそうです。早く春が来ないかしら…。

今年の夏、秋~冬を過ごしてみて感じたのは、わが家のように基本的に乾燥していて風が強いという過酷な屋外環境にあっては、ピッチャー内への水の注入が恐らくそれなりに効果があるということ。忙しくなりゆっくり個別のピッチャーに注水できなくなってから、調子が上がらない株が増えたような気がします。

水には微粉ハイポネックスを薄く溶いていることが多く、マメに注入できていた時期に生育が良く感じたのはその影響もあったでしょう。ピッチャーが貯水と養分吸収の機能を備えていることを、実体験としてひしひしと感じている今日このごろでした(ぐすん)。

さて、撮りためた写真から今日はこの個体です。

N. veitchii Bario x peltata 'konan'

ワンダープランツ(旧リベラルファーム)さんより導入。'konan'というのは国内きっての趣味家の一人、中川泰秀氏に由来することを指す記号と認識しています。

私の好きなバリオ産N. veitchiiとN. peltataのクロスということで、なんとも私得な交配種です。

この株の前回の記事の次に付けたピッチャーは、色が濃くてやや細長く、そして幅のある襟を持ったものでした。



これは父親のN. peltataの血がやや強く出たピッチャーだと思います。N. peltataの交配種はよくこのような分厚い襟を見せることがありますよね。

話は逸れますが、前回のギネス記録の記事にも取り上げたN. 'Leviathan' (N. rajah x peltata)はまさにこの特徴が現れた交配種であり、同じく幅広でなおかつ周辺部で波打つ襟が特徴のN. rajahとの交配のアイデアはセンスあるなぁと個人的に思います。


こちらはその次にできたピッチャー。

出来たばかりの袋は黄色みが強く、全体的に淡い色合いをしています。ここから時間の経過とともに、ボディの斑点が赤みを増して、ストライプもコントラストがはっきりとしてきます。


少し分かりづらいですが、蔓の付け根はほぼ葉の先端に位置しており、N. peltataの所以たるpeltate(蔓が葉のやや奥まった位置から出るあれ)はほぼ確認されません。

これから株の成熟につれて見られるようになるのでしょうか。


中川氏が交配に使用したN. veitchii ♀がどんな個体かは存じ上げないのですが、この密で線の細かいストライプはその母株から遺伝したものではと見ています。優秀な個体が使われたのはまず間違いないと思います。

ただ、この品種群は実生だと思うので、インターネットで画像を探す限りけっこう個体差があるようで。この個体は発色、ストライプ、丸みを帯びたピッチャー形状などが高次でバランスしていてお気に入りですね。

あと、両親ともに毛深い原種なので、少しだけ写っている蔓にはしっかりと毛が生えています。


新芽もこのようにもっさもさで可愛いです。また、一部のN. peltataは葉裏が真っ赤になるのですが、子孫であるこの株はほとんど葉の裏面に赤みがありません。



襟が巻ききってやや鋭さを増して、完成という感じ。色合いも深みが出てカラフルになりました。

母親である高地性N. veitchiiと同様に、夏場の暑い時期を過ぎて気温が下がってくると、暑い時期よりも良好な発色を見せ始めます。

N. peltataもN. veithiiも、株の直径がかなり大きくなって来た時点でピッチャーの丸みや襟などが本領を発揮するところがあり、それらの子孫であるこの株も多分そのような傾向を持つと思います。

まだまだ幼い株ですので、リーフスパンが巨大になった頃にはどのような姿を見せてくれるのか楽しみです。(ん?栽培スペースあるのかって?ちょっとよく聞こえないですね)

 

それと、実はわが家にもそれなりにバリオ産N. veitchiiとN. peltataがいるので、幸運にも♀のN. veitchiiがいればこの交配を再現すること自体はできると思います。ただ、このクロスに使用された個体ほど優秀(だと推察される)な♀個体を手にできるかは正直けっこう難しいでしょうね。

その前に、そもそも横に広がって行進するN. veitchii Barioを何個体も開花サイズまで持っていける栽培スペースと、そして栽培スキルの方もなんとかしないといけない気がしています…。

まあ、そんなこんなで、今年もどうぞよろしくお願いします。

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